中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)
この病名読めますか?
真ん中が暗く見えたり、ゆがんだりしたらもしかすると・・・
病気の概要
CHECK POINT !
当てはまるものがありませんか?
病気の症状
網膜の外側には、血管などが束になっている「脈絡膜」という組織があります。この組織は、網膜に酸素や栄養を補給しています。
中心性漿液性脈絡網膜症にかかると、この脈絡膜の機能が弱り、色素上皮細胞が壊れて網膜側に漿液が漏れて黄斑の部分にたまり、腫れた状態になるのです。結果的に黄斑の部分の網膜が剥離して、視力に影響が出ることになります。
おもな症状
視力低下
網膜剥離がおきるため、視力が低下することがあります。
中心暗点
黄斑部は網膜の中心にあるため、その機能が低下すると視野の中心が暗く感じられることがあります。
視界のゆがみ
黄斑部が腫れることで、見ようとするものが歪んで見えることがあります。
色覚異常
見ようとするものが実際の色と違った色彩に見えることがあります。
少視
実際よりも、ものが小さく見えることがあります。
遠視
眼底部が腫れることで網膜が前に押し出されるため、軽度の遠視になる場合があります。
病気の治療
基本的な治療はレーザー治療ですが、
漏出点が中心窩に近い場合はPDTが有効です。
治療方法1: レーザー治療
漿液が漏れだしている部分にレーザーを照射し、凝固させることで回復を促す治療です。回復が早く、再発が防止できる治療ですが、黄斑の中心部から漏洩している場合には照射できません。また、施術後の検査は必須となります。
治療方法2: 内服療法
有効性を示す根拠は十分ではないのですが、いくつかのアプローチがあります。
末梢循環改善薬
網膜の循環を促すことで周辺の機能を回復させ、漿液の吸収を促進させます。また腫れを引かせるため、血管強化剤なとも使用されます。
ビタミン剤
眼底部の細胞を活性化させて回復を促すために使用されます。
ヨウ素製剤
網膜の組織呼吸を促進し、新陳代謝を冗進させることで、網膜の腫れを引かせて回復を促します。
治療方法3: PDT (光線力学療法)
日本においては未認可ですが、CSCに対する有効性が多くの臨床研究により示されています。脈絡膜血管を再構築し、循環障害や漿液の漏出を抑制します。
中心性漿液性脈絡網膜症は、ほとんどの場合は3~6ヶ月の内服治療で自然治癒する病気です。ただし再発する可能性が高く、また、経過が長引くことで視力が回復しないこともあります。医師の診断のもと、適切な治療を行いましょう。